細胞形態学により事前に安定性を予測できる

細胞培養実験を成功させるには、培養細胞の形態（形状と外観）を定期的に検査することが不可欠です。細胞の健康状態を確認することに加えて、細胞を処理するたびに肉眼と顕微鏡で細胞をチェックすることで、汚染の兆候を早期に検出し、実験室の周囲の他の培養物に広がる前に制御することができます。

細胞変性の兆候には、核周囲の粒状化、細胞とマトリックスの分離、細胞質の空胞化などが含まれます。腐敗の兆候は、培養物の汚染、細胞株の老化、培地中の有毒物質の存在など、さまざまな理由によって引き起こされる場合もあれば、単に培養液を交換する必要があることを示している場合もあります。悪化を放置しすぎると元に戻せなくなります。

1.哺乳類細胞の形態
培養中のほとんどの哺乳類細胞は、その形態に基づいて 3 つの基本的なカテゴリに分類できます。

1.1 線維芽細胞 (または線維芽細胞様) 細胞は双極性または多極性で、細長い形状をしており、基質に付着して成長します。
1.2 上皮様細胞は多角形で、より規則的なサイズを持ち、別個のシートでマトリックスに付着しています。
1.3 リンパ芽球様細胞は球形で、通常は表面に付着せずに浮遊状態で増殖します。

上記の基本的なカテゴリーに加えて、特定の細胞は宿主内での特別な役割に特有の形態学的特徴も示します。

1.4 神経細胞はさまざまな形状とサイズで存在しますが、長距離の運動信号を伝達する長い軸索を備えたタイプ I と軸索を持たないタイプ II の 2 つの基本的な形態学的カテゴリーに大別できます。典型的なニューロンは、細胞体から多くの枝を含む細胞の伸長を投影し、これは樹状樹と呼ばれます。神経細胞は単極性または擬似単極性でありえます。樹状突起と軸索は同じプロセスから出現します。双極軸索と単一樹状突起は、体細胞 (核を含む細胞の中央部分) の両端に位置します。あるいは、多極性のものには 2 つ以上の樹状突起があります。